軽費老人ホーム(A型、B型、ケアハウス)とは

軽費老人ホームは、家庭での生活に不安がある高齢者が、比較的少ない費用でサポートを受けながら生活できる、社会福祉法に基づいた福祉施設です。軽費老人ホームには、「A型・B型・ケアハウス(C型)」という3種類の施設があります。

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  • 軽費老人ホーム全体の特徴

軽費老人ホームは、社会福祉法人や地方自治体などが運営する高齢者が対象の福祉施設です。ひとり暮らしに不安があるけれど、身寄りがない、家族からの援助が受けられない、家族との同居が困難であるといった高齢者が対象です。厚生労働省によれば、軽費老人ホームは、平成26年(2014)10月1日時点で2,250施設があります。

運営事業者が自治体や国の助成金を受けているため、低料金で利用できることが大きな特徴です。軽費老人ホームA型・B型には所得制限があり、一定の収入(おおよそ月額34~35万円以上)がある方は入居できません。ケアハウス(C型)には所得制限がありません。

軽費老人ホームには「A型・B型・ケアハウス(C型)」という3種類の施設がありますが、「ケアハウス(C型)」のなかにも『自立型』と『介護型』という2タイプが存在し、細かい特徴や入所基準などが異なります。

『介護型』のケアハウス以外は基本的に要介護状態に対応していませんが、入所中に介護が必要になった場合は、外部の介護サービスを受けることも可能です。ただし、施設により、重い介護や医療措置が必要になると退去の可能性が生じます。

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  • 軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)それぞれの特徴

(※)「特定施設入居者生活介護」とは、都道府県から指定を受けた特定施設が施設内に職員を随時配置し、介護サービス計画に基づいて、入浴・排せつ・食事等の介護、その他の日常生活上または療養上の世話、機能訓練を行うことです。

  軽費老人ホームA型 軽費老人ホームB型 ケアハウス(C型)
自立型ケアハウス|介護型ケアハウス
施設数(平成26年時点) 209 17 1,989
対象 60歳以上の高齢者
(夫婦の場合はどちらかが60歳以上)
60歳以上の高齢者
(夫婦の場合はどちらかが60歳以上)
60歳以上の高齢者
(夫婦の場合はどちらかが60歳以上)
65歳以上の高齢者
所得制限 月収33~34万円以下 月収33~34万円以下  
介護度 自立もしくは
軽度の要介護
自立もしくは
軽度の要介護
自立もしくは
軽度の要介護
要介護
1~5
提供サービス 生活支援(見守り・入浴準備・緊急時の対応など)

食事提供あり

生活支援の一部(見守り・入浴準備・緊急時の対応など)

食事提供なし:原則自炊

食事・掃除・洗濯サービス 食事・掃除・洗濯サービス
介護サービス 基本なし

(施設によって外部の介護サービス利用可)

基本なし

(施設によって外部の介護サービス利用可)

施設によるサービスなし
外部の介護サービス利用可
特定施設入居者生活介護(※)
医療ケア あり
(施設による)
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  • 軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)の費用の内訳

軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)の費用には、「初期費用」と「月額利用料」があります。
ケアハウスの方が費用は少し高めですが、施設によっては「初期費用」がない場合もあります。食事の提供がない軽費老人ホームB型の「月額利用料」には食費が含まれません。また、介護型ケアハウスに入所している場合や、必要に応じ外部の介護サービスを利用した場合は、介護サービス費の自己負担分が月額利用料に加算されます。

なお、「特定施設入居者生活介護」が提供される介護型ケアハウスの場合、一か月の介護サービス費用は介護度に応じて定額になります。

おおまかな内訳は、以下の通りです。
すぐ下の表は目安となります。

  初期費用 月額費用 食費の有無
軽費老人ホームA型 0~30万円 6万~17万円
軽費老人ホームB型 0~30万円 3万~4万円 ×
自立型ケアハウス 0~30万円 7万~13万円
介護型ケアハウス 数十万~数百万円 16万~20万円
  軽費老人ホームA型 軽費老人ホームB型 自立型ケアハウス 介護型ケアハウス
初期費用 0~30万円 0~30万円 0~30万円 数十万~数百万円
月額費用 6万~17万円 3万~4万円 7万~13万円 16万~20万円
食費の有無 ×

【初期費用】
1.「保証金」(※1)を入居時に支払います。

【月額利用料】
1. 家賃…(居室や共同設備を利用するための費用)
2. 管理費…(共同設備の維持や人件費に係る費用)
3. 水道光熱費…(水道・電気・ガスなどの料金)
4. その他…(日常にかかる雑費)
————食事サービスがある場合
5. 食費…(食事にかかる費用)
————介護サービスを利用した場合
6. 介護サービス費の1割(または2割)…(介護サービスなどにかかる費用)
7. サービス費加算の1割(※2)…(手厚い介護・医療体制などに加算される費用)

(※1)「保証金」は、賃貸住居の敷金にあたるものです。退去する際に修繕費や清掃費が発生した場合の費用や、家賃が滞った際に充填する費用として施設に預けます。一般的には退去時に必要分を差し引いて返却されます。

(※2)サービス費加算とは、手厚いサービスや専門的なサービスに対し加算される費用です。主な種類は以下の通り。
・「個別機能訓練加算」…常勤の機能訓練指導員を配置
・「医療機関連携加算」…看護職員による協力医療機関と連携した健康管理
・「夜間看護体制加算」…看護職員による協力医療機関と連携した24時間体制

※介護保険と請求加算について

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  • 軽費老人ホーム(A型、B型、ケアハウス)の今後

要介護者の受け入れができない軽費老人ホームA型・B型は、現代のニーズにそぐわないため、1990年以降は増えていません。事実上、新設されているのはケアハウスのみです。また、2008年には設備や人員の基準をケアハウスに統一し、軽費老人ホームA型・B型をケアハウスに建替えていくことが決まりました。つまり、現在の軽費老人ホームA型・B型は建替えを行うまでの「経過的軽費老人ホーム」とし、今後はすべてケアハウスに移行されます。

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  • 都市型軽費老人ホームとは

高齢化・核家族化の波にあおられ、とくに都市部では高齢者の単独世帯が急増しています。しかし、都市部は地価が高いため、高齢者施設が増えにくい、利用料が高いという問題がありました。その問題を解決すべく平成22年(2010)4月に法改正があり、居室面積等の基準が緩和されたため、都市部でも比較的少ない料金で利用が可能な「都市型軽費老人ホーム」が登場しました。

その大きな特徴は20人以下の小規模な老人ホームであること。また、通常であれば居室の面積は21.6㎡以上ですが、「都市型軽費老人ホーム」の場合は7.43㎡に引き下げられています。ただし、入居できるのは60歳以上の低所得者、なおかつ施設がある市区町村に住民票がある方です。

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  • 軽費老人ホーム(A型、B型、ケアハウス)に入居するためには

軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)へ入居する場合は、各施設に申し込みを行います。申込書を提出したあと、面談が行われ入居が決定します。

入居の際に必要となるのは、入居者の「住民票・健康保険証・介護保険証・健康診断書」など。そのほか、所得証明書や入居者の戸籍謄本、身元引受人の印鑑証明や実印、身元引受人の住民票を求められる場合もあります。

なお、介護型ケアハウスに入所を希望する場合や、介護サービスを受ける状況に備える場合、あらかじめ介護認定を受けておくことが必要です。もしも、まだの場合は、各市区町村の窓口や、お住まいの近くにある地域包括支援センターで「要介護(要支援)認定」を申請しましょう。市区町村の職員による自宅訪問などが行われ、介護度が判定されます。

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  • おしまいに

ケアハウスは従来の軽費老人ホームA型・B型より多少費用が高めであるとはいえ、有料老人ホームに比べると利用料は安く設定されています。そのため、非常に人気が高く入居が難しいというのが現実です。したがって、ケアハウスへの入所を希望していても、残念ながら、それが叶うとは限らないのです。

いくら利用料が安くても、なかなか入所できないのは困りものですよね。そんなときは、高齢者施設の専門家にご相談し、あらゆる面から比較検討してみてはいかがでしょう。意外にサービス面や条件、費用を合わせて考えてみたら、有料老人ホームの方が希望に近い施設だったということもあり得ます。実のところ、ケアハウスにも初期費用がかなり高額な施設が存在しているようです。

また、介護型ケアハウスの場合、介護サービス費用は介護度に応じた定額です。そのため、サービスをあまり利用していない場合も、固定費用としての支払いが生じてしまいます。
むしろ、重度化した場合でも、症状に合わせたサポートが提供される「サービス付き高齢者向け住宅」などの方が、サービスを多く利用しても費用を抑えられる場合があります。

だからこそ、施設の種類を限定してしまう前に、専門家から検討材料を手に入れることをお勧めします。それに、第三者の客観的なアドバイスが、施設選びを的確な方向に導いてくれるかもしれません。

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  • おさらい

軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)は、身寄りがない、家族からの援助が受けられない、家族との同居が困難であるといった高齢者が、比較的少ない費用でサポートを受けながら生活できる福祉施設です。

細かく分類すると以下の4種類があります。
「軽費老人ホームA型」「軽費老人ホームB型」「自立型ケアハウス」「介護型ケアハウス」

基本的に介護型ケアハウス以外は施設による介護サービスはありませんが、入所後に介護が必要となった場合は、外部の介護サービスを受けることが可能です。

介護型ケアハウスのみ65歳以上・要介護1以上の高齢者、
ほかは60歳以上・自立~軽い介護度の高齢者が対象です。

サービスは、以下の通りそれぞれ異なります。

軽費老人ホームA型…食事・最低限の生活支援
軽費老人ホームB型…最低限の生活支援
自立型ケアハウス…食事・洗濯・掃除
介護型ケアハウス…食事・洗濯・掃除・介護・医療ケア

■特徴:比較的少ない費用でサポートを受けながら生活できる福祉施設

■対象者:60歳以上/自立~軽度の介護 もしくは65歳以上/要介護1~5

■利用できる期間:一定期間

■問い合わせ窓口:各施設、老人ホーム紹介事業者、地域包括支援センター、市区町村役所