有料老人ホーム」は、主に民間事業者が運営する高齢者が対象の老人ホームです。自立した生活ができる方から、介護が必要な方まで、幅広く入所が可能です。人々の老後の暮らしを支えるうえで、大きな役割を担っている「有料老人ホーム」の、費用の特徴をご説明します。

有料老人ホーム」は、食事の提供、入浴・排せつもしくは食事の介護ほか、日常生活の介護支援を行う高齢者向け施設です。厚生労働省によれば、平成26年(2014)10月1日時点で9,632施設あります。

施設数が多いので、入居待ちをする必要がほとんどなく、入居することが可能です。また、医療設備、介護・看護体制、レクリエーションやイベント、娯楽などのサービスが、とても充実した施設もあります。このようなサービス内容が費用に反映されたり、地価に家賃を左右されたりすると、公的な介護施設に比べて費用が高くなることがあります。

有料老人ホームへ入居するために必要となる費用は、主に以下の5つです。

  • ・「家賃」……居室・共用部利用の費用
  • ・「管理費」……人件費、事務費、施設維持費など
  • ・「食費」……食事サービスを利用した際の費用
  • ・「介護費」……介護保険サービスを利用した際の自己負担1割(または2割)
  • ・「その他の費用」……光熱費・通信費・おむつなどの消耗品費・イベントやレクリエーション参加費・医療費・生活支援にかかわる費用など

有用老人ホームの費用の支払い方法は、施設により異なります。一般的には入居時に支払う「前払い金(※1)」と、入居後に毎月支払う「月額利用料」があります。

施設によっては「一部のみ前払い」の場合や、前払い金がなく「月額利用料だけ」の場合もあります。なお「前払い金」は入居者が居住し続ける期間を、その施設ごとに想定し(想定居住期間)計算されたものですが、基本的にその期間を超えても家賃の追加支払いはありません。

  • ・「前払い金」……主に家賃など(想定居住期間分を入居時に一括もしくは一部を支払う)
  • ・「月額利用料」……主に管理費・食費・介護費・その他の費用(※2)

(※1)「入居一時金」は「前払い金」へと用語が変更。
(※2)施設により「その他の費用」はその都度支払う場合あり。

・<返還金制度(前払い金の償却)>
想定居住期間内に退去した場合(死亡時を含む)は、未償却分が返還されます。償却とは、前払い金として預かったものを少しずつ消化していくことです。未償却分とは、退去により消化できなかった分です。

想定居住期間(償却期間)は施設により異なりますが、「平成26年度有料老人ホームにおける前払金の実態に関する調査研究事業報告書(平成27年3月 公益社団法人全国有料老人ホーム協会)」によると60ヵ月(5年)が多く、ほか120ヵ月(10年)や180ヵ月(15年)というものもあります。

初期償却がある場合、その率は前払い金の15%~30%などです。初期償却とは、想定居住期間(償却期間)を超えて入居が継続する場合などに備えた、契約時点で償却される、返還されない金額です。なお、これらの計算式の明示や、前払い金の返還金保全措置(倒産などの事態に備えたもの)は、平成18年4月以降に有料老人ホームの設置届出が提出された有料老人ホームの運営者に義務付けられています。

・<短期解約特例制度(クーリングオフ)>
有料老人ホームには、老人福祉法上「利用者が契約から90日以内に契約を解除した場合、前払い金は経費を除き全額返還する」という短期解約特例制度(クーリングオフ)があります。経費とは、一時的に入居していた期間の家賃や水道光熱費、食費ほか、現状回復の費用などです。

有料老人ホームに入居して、介護保険サービスを利用した場合、要介護度に応じた自己負担分を毎月支払う必要があります。介護保険サービス費とは、入浴・排せつ・食事の介護・デイサービス・福祉用具などの、介護度・地域に応じた介護サービスにかかる費用のことです。

なお、有料老人ホームには、『介護付有料老人ホーム』『住宅型有料老人ホーム』『健康型有料老人ホーム』といった3タイプがあります。

介護や食事等のサービスが付いた『介護付有料老人ホーム』は、都道府県知事から「特定施設入居者生活介護」の事業者指定を受けています。この場合、施設内で提供される介護保険内サービスの1割(または2割)を負担します。

食事の提供はあるけれど、介護サービスは外部の事業所を利用する『住宅型有料老人ホーム』の場合は、外部の介護サービスを利用した際に、介護保険内サービスの1割(または2割)を負担します。

健康型有料老人ホーム』の場合、要介護者の方は入居できないので、基本的に介護サービス費はかかりません。

なお、介護サービスについては、介護保険が適用されるので実費は通常「1割負担」ですが、平成27年8月より“一定以上の所得がある場合は「2割負担」”となりました。ただし、上限額を超えた場合などは払い戻しがあります。

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  • 上乗せ介護費(人件費)とは

介護付有料老人ホーム』のような特定施設でも、手厚い介護サービスを行うための職員(要介護者2.5人に対して介護・看護職員1人以上)を配置していると、人件費として自己負担額を超えた介護費用がかかる場合があります。それを「上乗せ介護費(人件費)」といいます。通常「2.5:1」「2:1」というかたちで表記されています。

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  • おしまいに~

有料老人ホームは3タイプあるうえに、各施設が工夫を凝らした様々なサービスを提供しています。しかも数多くの施設があり、全国に広がっています。このなかから有料老人ホームを選ぶのは、なかなか大変ですよね。また、それ以上に、償却期間や返還金の計算式が各施設ごとに異なるので、費用面の把握も一苦労です。

このようなときは、高齢者向け施設全般に詳しい老人ホーム紹介事業者に相談して、大変なことはすっかり任せてしまってはいかがでしょう。ご希望を伝え、あとは確実な情報と、的確なアドバイスを待つだけ。ご家族だけで抱え込んでしまうより、ずっと楽に、ご希望に近い老人ホームが見つかりますよ。

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  • おさらい

有料老人ホームへ入居するために必要となる費用は、「家賃」「管理費」「食費」「介護費」「その他の費用」です。

有用老人ホームの費用の支払い方法は、施設により異なりますが、一般的には入居時に支払う「前払い金」と、入居後に毎月支払う「月額利用料」があります。

施設によっては「一部のみ前払い」の場合や、前払い金がなく「月額利用料だけ」の場合もあります。

有料老人ホームには、高齢者とそのご家族を守るために、返還金制度(前払い金の償却)や、計算式の明示、前払い金の返還金保全措置(倒産などの事態に備えたもの)、短期解約特例制度(クーリングオフ)などが義務付けられています。

介護保険サービスは1割負担。一定の所得がある場合は2割負担。手厚い介護サービスを行うための職員を多く配置していると、人件費として「上乗せ介護費」がかかります。

■問い合わせ窓口:各施設、老人ホーム紹介事業者