平均寿命は右肩上がりで延びています。厚生労働省によると平成28年度の平均寿命は過去最高を更新し男性が81.0歳、女性が87.1歳になりました。一方、健康寿命の平均は男性71.2歳、女性74.2歳と男性で約10年、女性で13年もの差があります。自立した生活できなかったり寝たきりになったりするなど要支援・要介護状態になることは、せっかく長生きができてもQOL(生活の質)が下がってしまうので避けなければなりません。健康寿命を延ばして健康な生活を支援するさまざまなサービスについて紹介します。

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  • 平均寿命に対する誤解

平均寿命が男性81歳、女性87歳というと平均してその年令までしか生きられないと考える人が多いですが、決してそういう意味ではありません。この場合の平均寿命は「2016年に生まれた0歳の男女が平均的に生きられる年齢」のことです。少しわかりにくいですがこの意味は、2016年に65歳の男性の平均余命は16年(=81歳-65歳)ではないということです。

では、どういうことかいうと例えば2016年に0歳の人の平均寿命は別途決まるということです。例えば2016年に65歳の人の平均余命は厚生労働省が公表している「2016年の簡易生命表」によると男性が19.6年、女性が24.6年です。つまり、65歳の人が生きられる年齢は65歳に平均余命を加えた年齢まで生きられる(平均寿命)となって、男性81.0歳、女性87.1歳を2、3年こえます。

年齢が高くなるほど平均寿命を大きくこえる平均余命になります。80歳の男性の平均余命は8.9年で平均寿命よりも約9年、女性の平均余命は11.8年で平均寿命よりも約5年長くなります。そのため高齢になるほど健康寿命を延ばさないとQOLの低い生活を長く続けなければならないため健康寿命をより強く意識しなければなりません。

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  • 健康寿命に対する誤解

平均寿命と健康寿命の差

平均寿命と健康寿命の差のグラフ
[出典]厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会・次期国民健康づくり運動プラン策定専門委員会
「健康日本21(第二次)の推進に関する参考資料」p25

健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされています。そのため「要支援・介護状態になる平均的な年齢」と多くの人が思っています。しかし、内閣府が毎年発表している「高齢社会白書(平成29年度)」によると74歳までに要支援・介護の認定を受けている人の率は5%にも達していません。75歳以上でも75歳以上の年齢の人に対して要支援・要介護の認定を受けている人の比率は3割強です。

この誤差は、健康寿命の年齢の調査がアンケート調査で行われることから生じていると考えられます。アンケート調査では健康か、健康ではないかは答える人の主観に依存します。65歳くらいを過ぎると、多くの高齢者は体のどこかに若いときとは違った部分を感じています。そのときに「現在、健康上の問題で日常生活に何か支障がありますか」とか「現在は健康ですか」と聞かれると、少し体の調子がわるいと健康でないと答えるために実際よりも若い年齢が健康寿命の数字として出てきます。

男性で71歳、女性で74歳になっても、要支援・介護を受けることになる人は少ないでしょうが、さらに加齢が進むといずれ要支援・介護は必ず必要になってきます。この時期をできるだけ遅くなるように努力することで高齢者本人のQOLや家族のQOLを高く・長くした生活ができます。健康寿命を長くするには健康支援サービスをうまく利用することが必要です。

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  • 健康な生活を支援するサービスが重要な理由

健康な生活を支援するサービスが重要な理由は、平均寿命が延びるとともに健康寿命も徐々に延びていますが、その差がわずかですが徐々に開いていっているからです。平均寿命が60歳のころは平均寿命と健康寿命に大きな差はありませんでした。しかし
その後は徐々に開いてき、近年の高い健康志向にもかかわらずその差は横ばい状態で縮まっていません。健康に注意して病気にならないようにしても足腰が弱ると自立した生活が難しくなります。

また、体の健康面だけでなく認知力や判断力が弱くなると体が健康であっても生きがいを持った自立した生活が難しくなります。医療の進歩などで平均寿命が徐々に延びていくなか、心身が健康な状態を長くたもつようにする重要性が高まっています。病気やケガは重病でないかぎり比較的速く治療を受ければ治りますが、足腰や脳の衰えは短期間で簡単に回復できません。日頃から意識して継続することが大切です。また、逆に簡単に回復できないからと諦めて何もしないと足腰や脳は加速度的に衰えていきます。体力や脳力の衰えに気がついたら諦めずに早く健康を支援するサービスを積極的に受けることもまた大切です。

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  • いろいろな健康支援サービスの種類と費用

健康を支援するサービスは、大きく分けると体力の衰えを防止する体を動かすレクリエーション(体操、ヨガ、ストレッチ)と、脳を活性化させるために手先を使うレクリエーションやクイズ・脳トレがあります。それぞれの体力や脳力に応じたサービスが提供されており、うまく利用することで体力・脳力を増進できます。

1.健康支援サービスの種類

1-1 体力の衰えを防止するレクリエーション

  • 風船をボール代わりに使ったテニス、バスケットボール、キャッチボールなど
  • じゃんけんをして勝ち負けが決まったとき手を上げたり、拍手したり、座ったりするなどの軽い運動など
  • ラジオ体操、ヨガ、ロコモ運動など
  • 心肺機能の強化のために歌う
  • ジェスチャーによる伝言ゲーム など

1-2 脳を活性化するレクリエーションやクイズ・脳トレ

  • 折り紙、塗り絵、洋裁などの物作り
  • おはじき、ビー玉、お手玉などを使った遊び
  • その他指を使った遊びや体操
  • なぞなぞ、クイズなど
  • かるた、トランプ、百人一首 など

1-3 介護保険サービスと介護保険外サービスの費用

健康支援サービスは、介護保険が利用できるサービスと介護保険が利用できない介護保険外サービスがあります。費用は介護保険サービスを利用するときは介護度や利用時間によって異なりますが、500円から1,500円程度です。介護保険外サービスの場合は、サービスを提供する会社によって大きく異なりますが、2時間程度で数千円が一般的です。

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  • まとめ

健康寿命を長くしてQOLの高い自立した生活を可能にする健康支援サービスについて、平均寿命や健康寿命の正しい情報とともにサービスの種類や内容および費用について紹介しました。介護保険を使ってサービスを利用したり、介護保険外サービスのなかからより自分に適したサービスを選んで利用したりすることで効果的に健康寿命を延ばせます。