• 認知症の薬には、どんな種類や効果があるの?
  • guide_icon_1x
  • 進行性の認知症

徐々に記憶力や判断力などが低下するアルツハイマー型認知症。進行すると日常生活にも支障をきたすようになってしまう病気です。その期間には個人差がありますが3・4年から10年程度といわれています。進行性の病気で、残念ながら現在の時点では失われた記憶能力や精神機能を回復する治療法はありません。しかし、投薬など適切な治療によって症状の進行を遅らせることはできます。より早期の時点から患者に合った薬を使用することで、良い状態を長く保てる可能性があります。

  • guide_icon_1x
  • 日本国内には4種類

2016年現在、日本国内ではアリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ、メマリーの4種類が認知症の薬として認可されています。リバスタッチパッチ/イクセロンパッチは貼付剤、ほかの3つは内服薬です。大きく2つのグループに分けらており、アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬というカテゴリーに分類されています。

  • guide_icon_1x
  • アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
    (アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチ)

アルツハイマー病の人の脳内では、神経伝達物質であるアセチルコリンの量が少なくなっています。これはアセチルコリンがコリンエステラーゼという酵素によって分解されることにより起きるもので、記憶障害などの症状が現れます。そこで脳内の神経伝達物質の量を増やしてコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンの分解を抑える作用を持つのがアセチルコリンエステラーゼ阻害薬です。近年、レビー小体型認知症への効果も認可されました。

適切に使用すれば症状の進行を抑えることができますが、下痢や嘔気など副作用もあります。消化器症状のほかにも興奮などの精神症状が表れる場合もあります。

  • guide_icon_1x
  • NMDA受容体拮抗薬(メマリー)

メマリーはNMDA受容体拮抗薬と呼ばれるもので、中度および高度アルツハイマー型認知症における症状の進行を抑制する薬で、上記の3薬とは異なる働きがあります。そのためアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を複数同時に使用することはできませんが、メマリーは併用することが可能です。メマリーが作用するのは、脳内のグルタミン酸という神経伝達物質。認知症になるとこの物質が過剰となり、記憶に関係する神経の働きを鈍くしてしまいます。これを抑えることで、グルタミン酸神経系の機能異常が改善されて認知機能の低下を防いだり行動異常を減らしたりする効果があるのです。こちらもめまいや食欲不振などの副作用が報告されています。

  • guide_icon_1x
  • 周りのフォローは必須

認知症の患者さんは自分がいつ薬を飲んだか忘れてしまう危険性もあります。周りの方の適切な薬の管理は必須です。また、薬物療法を始めてもなかなか効果を実感できないこともあるでしょう。しかし、何も治療しないよりも症状の進行を遅らせている可能性があります。自己判断で投薬を中止することも厳禁です。主治医と相談しながら治療を続け、患者・介護者ともに負担を軽減することを目指したいものです。

  • guide_icon_1x
  • おさらい

認知症の薬は大きく分けて4種類あります。アリセプト、レミニール、リバスタッチパッチ/イクセロンパッチの3つはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬というカテゴリーに分類されており、神経伝達物質であるアセチルコリンを分解してしまうコリンエステラーゼという酵素を阻害するものです。4つめのメマリーはNMDA受容体拮抗薬と呼ばれるもので、脳内で過剰になり神経の働きを鈍くしているグルタミン酸という神経伝達物質を抑える働きをします。