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  • 治療可能な認知症

記憶障害や運動障害など、認知症と似た症状があらわれる水頭症。脳脊髄液が頭に溜まってしまうことで起こる病気です。実は認知症と診断された高齢者の5%?10%はこの中の「特発性正常圧水頭症」ではないかと考えられています。しかし診断の難しさもあり詳細はまだ明らかになっていません。ただひとつ分かっているのは、この正常圧水頭症で起こる認知症はアルツハイマー型などとは違い、治療で改善できる可能性があるということです。

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  • 原因は

水頭症には、脳脊髄液の流れが止まるものと吸収が悪くなるものとの2タイプがあります。後者は脳圧が上がりにくいため「正常圧水頭症」と呼ばれます。正常圧水頭症には髄膜炎やくも膜下出血が原因で起こる「続発性」と原因が不明の「特発性」があります。割合は続発性が70?80%、特発性が20?30%ですが、高齢者に多く見られるのは特発性です。

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  • 症状は

正常圧水頭症で早期に出やすい症状は、歩行障害です。歩幅が狭くなり、がに股かつすり足で歩くようになります。歩く方向を変える時にバランスを崩して転倒しやすくもなります。独特な歩き方なので、ここで水頭症と気づかれることも多いようです。パーキンソン病も歩幅が狭くなりますが、足は外に開きません。認知症の症状も出ますが、記憶障害よりも集中力や注意力、意欲の低下が目立つのが特徴です。声をかけたときの反応が遅くなったり、趣味を持っていた人が離れてしまったり、表情が乏しくなったりします。歩行障害の次に尿失禁があらわれることもあります。尿意の感覚が薄れたり、自宅のトイレの場所が分からなくなったりすることで起こります。

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  • 治療は

正常圧水頭症には手術が有効です。頭の中に溜まっている髄液をシリコンの管を通して身体の他の場所に流れるようにするシャント術と呼ばれる術式です。髄液の流れる量を調整する装置も埋め込まれます。手術によって歩行障害は9割近く、認知機能は5?6割の人が回復できるそうです。ただし、手術には麻酔薬や抗生物質など多くの薬を使います。もちろん高い安全性が確立されていますが、人によってはアレルギー反応や副作用を起こす危険性があることは認識しておきましょう。

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  • おさらい

正常圧水頭症は大きく分けると認知症のひとつになりますが、その原因は他と異なり手術によって取り除くことができます。ただし、アルツハイマー型など他の回復不可能な認知症との区別が難しく、治療が遅れてしまうのが懸念点です。見分けるポイントは「歩き方」です。「すり足」「小股」「がに股」。この3点が見られた場合、正常圧水頭症を疑って早めに脳神経外科を受診しましょう。