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  • 自宅不動産を老後の生活資金に活用できる!リバースモーゲージとは

現役時代に高年収であった人も定年引退後に生活困難に陥った人も多いという「老後破産」「下流老人」が、今大きな話題になっています。2014年9月のNHKの番組では独居老人600万人の半数が年収120万円以下と放映されました。また、河合克義明治学院大教授が都心部の東京都港区と地方の山形県で調査した結果でも同様に生活保護以下の年収しかない高齢世帯の割合がいずれも56%であったと報告しています。

今後も、年金破綻の可能性、介護・医療費の負担増大、親離れしない子どもの生活費負担、不動産価値の下落、熟年離婚で資産の減少など高齢者の生活は厳しさが増していく可能性があります。そこで、自宅不動産を活用して老後の生活資金にできるリバースモーゲージについて解説します。

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  • リバースモーゲージとは?
1. リバースモーゲージとは

リバースモーゲージは、「自宅不動産を担保に銀行や自治体から融資金額を一括、または定期的に年金のように、あるいは必要なときに随時受け取って、その返済は原則生存中、必要がなく死亡時に自宅を売却して一括返済する制度」のことです。

通常は、不動産を所有するために融資を受け年数の経過とともに返済残高が減少していきます。一方、リバースモーゲージは逆に不動産を最終的に処分するために融資を受け年数の経過とともに返済残高が増加していきます(借り入れ可能残高は減少していきます)。そのため、リバース(逆のという意味)モーゲージ(不動産を担保とした融資という意味)と言う名称が付けられています。

不動産を所有していればリバースモーゲージを利用することで、老後に収入が少なく生活が苦しくても生存中は返済の必要がないので心置きなく使え老後を楽しく過ごせます。リバースモーゲージでは、担保価値に見合う一定金額の借入枠が設定されます。金利の変動や担保価値の変動があれば設定金額が見直されます。

2. リバースモーゲージが利用できる不動産の条件

金融機関や地方自治体によって利用するためのさまざまな条件があり、無条件に利用できるわけではありません。たとえば、以下のような制限があります。リバースモーゲージに興味があれば、早めに自宅の不動産が利用できるかどうかを確認した方がよいでしょう。

2-1. 年齢制限

利用できる年齢が55歳または60歳から80歳前後までです。

2-2. 担保不動産のあるエリア

金融機関は、1都3県に愛知、大阪、京都、兵庫など大都市圏が一般的です。大都市圏でなくても地方に本店のある金融機関や地方自治体がリバースモーゲージを行っていればその所在地にあるエリアの不動産も対象になります。

2-3. 担保価値

一定額以上の担保価値がないと利用できません。一部の金融機関は担保価値が5000万円をこえます。

2-4. マンションの担保価値の低さ

日本では中古住宅市場が活発でないことに加え、家屋の担保価値が低く価値が土地のみで評価されるのでマンションは利用できない、あるいは担保価値が低い問題があります。

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  • 利用するメリットと利用上の注意点
1. 利用するメリット

リバースモーゲージを利用するメリットは以下の通りです。

1-1. 売却と異なりそのまま住み続けられる

最終的に自宅不動産を売却しますが、一定の契約の期間中はそのまま住み続けられます。

1-2. まとまった資金として活用できる

収入や預貯金があまりない老後に、病気治療費、介護費、老人ホーム入居費用などまとまった資金が必要になることがありますが、その資金にあてられます。

1-3. 金融機関から借り入れができない高齢者も利用できる

高齢者がローンを利用することは難しいですが、リバースモーゲージなら借り入れができて返済が原則生存中は不要です。

2. 利用上の注意点

リバースモーゲージは、老後の生活資金として活用できる便利な制度ですが、利用にあたってはいくつかの注意点があります。

2-1. 契約の満期をこえた長生き

リバースモーゲージは、死亡時または20年後などの一定期間(満期)が経過すると一括で返済しなければなりません。そのため満期をこえて長生きすると一括返済後の生活資金が不足するリスクが生じます。

2-2. 想定以上の不動産価格の下落・金利の上昇

大幅に地価が下落、あるいは金利が上昇すると担保価値の見直しが行われ、生活資金が減少、あるいは一括返済時に担保割れで差額を自己資金で返済しなければならなくなります。これらのリスクを小さくするには、利息分のみを死亡時まで返済するプランが利用できる金融機関もあります。

2-3. 死後の配偶者の生活資金

死後に一括返済するのではなく配偶者が契約を引き継いで生活資金を得られるかの確認をします。あるいは、別途配偶者の生活資金を準備しておかないと配偶者の生活資金が不足する可能性があります。

2-4. マンションの担保価値の低さ

日本では中古住宅市場が活発でないことに加え、家屋の担保価値が低く価値が土地のみで評価されるのでマンションは利用できない、あるいは担保価値が低い問題があります。

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  • 日本で普及していない理由・今後の拡大に必要な課題

リバースモーゲージは、日本ではまだ知られていないこともあってあまり普及していません。その理由と利用の拡大のために解消すべき課題について説明します。

1. 普及していない理由
1-1. 不動産を生かす発想が日本人にはない・家族の同意が得にくい

日本では不動産は家族に残すのが常識になっています。しかし、今後は核家族化の進展で親の不動産を引き継いで生活の拠点にすることが少なくなっています。そのため今後は意識が変わっていくと考えられます。しかし、一方で親の自宅には住まないけれど遺産として受け取る意識はまだ残っています。リバースモーゲージを利用したくても、子どもの同意がないので利用できないことが考えられます。リバースモーゲージは、遺産を相続する権利を持つ者の同意がないと利用できません。

1-2. 制度を知らない人が多い

2013年にメガバンクで利用できるようになったり、「老後破産」が話題になったりしていることから、今後制度に対する理解が高まり利用者が増加する可能性があります。

2. 利用拡大のための課題

リバースモーゲージの利用拡大のためには、「長寿命化」「不動産価値の下落」「金利上昇」のリスクの解消が必要です。国の政策などで「中古住宅市場の流動化対策」「貸付債権の証券化」「リバースモーゲージのための保険制度」などが整備されると3つのリスクが軽減され、または気にしなくてもよくなり利用を拡大できます。

「中古住宅市場の流動化対策」によって中古住宅不動産の担保価値があがります。「貸付債権の証券化」によってリバースモーゲージを利用する高齢者が負担しなければならないリスクをなくせます。「リバースモーゲージのための保険制度」によって、少ない保険料の負担で不動産の担保割れなどのリスクを回避できます。

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  • まとめ

長寿命化、年金破綻、介護・医療費の負担増などによる高齢者の老後資金の不足が懸念されるときに、生活資金として活用できるリバースモーゲージについて解説しました。今後、高齢者の経済的な生活環境は悪くなることはあってもよくなることはあまり期待できません。自宅不動産がある場合、リバースモーゲージを活用することで豊かな老後の生活を送れるようになる可能性があります。