「介護老人保健施設」は、高齢者の自立・在宅復帰を目指す、公的な介護施設のひとつです。「老健」とも呼ばれています。

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  • 介護老人保健施設(老健)の特徴

この施設の大きな特徴は、公的な施設であるため「費用の負担を抑えられる」というだけではなく、作業療法士や理学療法士によるリハビリが充実し、管理栄養士などによる専門的なサービスが受けられます。また、医師や看護師による管理体制が昼夜を問わず整っているため、利用者にとって非常に心強く、安心できる施設といえます。

しかし、そのように万全な医学的管理下にあるため、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」より少しだけ負担が多くなります。

そして、あくまでも在宅復帰を目標とした施設なので、終身利用はできません。3カ月ごとに入所継続の判定が行われ、それにより継続も可能ですが、延長は長くても半年程度〜1年に満たないぐらいです。つまり、3カ月で退所しなければならない可能性もあるということです。

したがって、「介護老人保健施設(老健)」に入所した際には、利用者の状況により退所後の施設選びも必要となる場合があります。

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  • 2種類の介護老人保健施設(老健)

「介護老人保健施設(老健)」は、入所者がリハビリテーション等によって自立した生活を行えるようになり、在宅復帰することが目標です。しかし、3ヶ月〜1年程度の短期入所施設であるため、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」が決まるのを待ちながら、一時的に入所する方も少なくありません。そのため、本来あるべき姿に戻すべく、これまでの「従来型」に加え、「在宅強化型」というものが生まれました。「在宅強化型」とは、以下3つの条件をクリアしている施設のことです。

1. 在宅復帰率が50% 以上
2. ベッドの回転率が10%以上
3. 要介護4 又は5 の利用者が35%以上

上記内容が実現されるためには、リハビリや医療、介護体制が整っていることが必要であるため、「在宅強化型」とされる「介護老人保健施設(老健)」は、「従来型」よりもサービス費が高く設定されています。

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  • 介護老人保健施設(老健)の居住形態

居住の形態は施設によって様々ですが、以下のような種類があります。

「ユニット型」

…完全な個室に、共有スペース(台所・食堂・浴室など)が併設されている。10人程度の生活グループに区切られているので、プライバシーを確保しながら人と交流しやすい環境である。また、介護職人が担当する人数が限られ、グループで生活するため、馴染みのあるスタッフや入居者同士での生活できる。ただし、「従来型個室」よりも多少費用が高くなる。

「従来型個室」

…「ユニット型」のように10人以下単位の生活グループに区切られていない。ただし、完全個室であるためプライバシーの確保が可能。

「多床室」

…ひとつの部屋を4人以下の入所者で利用する、整理箪笥やカーテン等で仕切られたいわゆる大部屋。プライバシーの確保は難しいけれど、負担額が小さいことが最大のメリット。

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  • 介護老人保健施設(老健)で受けられるサービス

医療ケアやリハビリが中心ですが、入浴・食事介助・日常生活支援・レクリエーションなどのケアサービスも提供されます。ただし、医療体制が充実しているとはいえ、病気での長期入院を必要とする方は入所できません。

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  • 介護老人保健施設(老健)の利用負担額

介護老人保健施設の施設費用のおおまかな内訳は、

「施設サービス費」+「居住費・食費」+「日常生活費」です。

入居一時金はありません。

 

基本的に介護老人保健施設の「施設サービス費」は介護保険が適用されるので実費は『1割負担』ですが、平成27年8月より『一定以上の所得がある場合は2割負担』となりました。ただし、上限額を超えた場合などは払い戻しがあります。

 

「居住費・食費」「日常生活費」においては、保険外なので実費となります。また、「居住費」は居住形態によって異なり、個室の場合、費用負担が増加します。ただし、「居住費・食費」においては、『利用者負担限度額認定制度』によって負担が軽減される場合があります。対象となるには以下の条件を満たしている必要があります。

 

・低所得世帯であること

…(世帯分離をしている配偶者を含む世帯全員が市区町村民税非課税)

・資産(預貯金等)が一定額以下であること

…(配偶者有:2,000万円以下/配偶者無し:1,000万円以下)

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  • 介護老人保健施設(老健)に入所するためには

もしも、まだ介護認定を受けていない場合は、各市区町村の窓口で「要介護(要支援)認定」を申請する必要があります。市区町村の職員による自宅訪問などが行われ、介護度が判定されます。

 

判定が要介護1〜5である場合は、「介護老人保健施設(老健)」への入居が可能です。要支援1・2の方は入所できません。

 

「介護老人保健施設(老健)」への申込は、書類を受け取る時点から直接施設に出向くことが基本です。ただし、それが難しい場合は書類の郵送を電話で頼むこともできます。そして、後日必要書類にて申し込みをする際、面接も予約しましょう。こちらの手順については、各施設にお問い合わせください。

 

面接を終えたあと、入所判定の通知が送られてきます。施設側が判断する際、担当のケアマネージャー(介護支援専門員)さんからも、お話を聞く場合があります。

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  • おしまいに

「介護老人保健施設(老健)」は最短3カ月単位で入所者が入れ替わるので、早く順番がまわってくるともいわれていますが、決して審査が緩いわけではありません。

 

そのようなこともあり、あらゆる可能性を視野に入れて、民間の有料老人ホームの情報も集めておくことが得策です。その際は、中立的で的確なアドバイスをくれる、信頼できる専門家に相談しましょう。

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  • おさらい

老人保健施設は、入所する要介護者に対し、ケアプランに基づいて、看護、医学的管理の下における介護、機能訓練、必要な医療、日常生活上の世話が提供されます。介護保険施設なので、要介護1以上の認定を受けていないと利用できません。

 

■特徴:高齢者の自立・在宅復帰を目的とした公的な介護施設

■対象者:原則65歳以上の要介護1から5の人
 ※但し、40歳から64歳まで(第2号被保険者)の方で、「特定疾病」が原因となって、介護が必要であると認定された場合は入居可能。

■利用できる期間:3ヶ月から1年程度

■問い合わせ窓口:各施設、地域包括支援センター、市区町村役所