介護保険の施設サービスの1つ介護老人保健施設は、「老健」と呼ばれる公的な施設です。入院による治療までは必要がないけれど、医療ケアやリハビリの必要な人が自宅で自立した生活ができることを目指して入居する施設です。介護老人保健施設について主に費用面の特徴について紹介します。

介護老人保健施設の費用は以下の表の通りです。

入居資格は、自立した生活ができない要介護の認定を受けている65歳以上で、症状が安定しており病気などを入院して治療を受ける必要がない高齢者です。主に医療ケアやリハビリを受けながら在宅で自立した生活への復帰を目指すことを目的としています。なお、40~64歳でも、要介護状態となった原因が、16種類の特定疾病による場合は入居基準を満たしているとみなされます。

種類 介護老人保健施設
[対象者]自立 ×
[対象者]要支援 ×
[対象者]要介護
医師有無 ○ 常勤
看護師有無
入居時費用 なし
月額費用 8万~25万円
(居室の種類や入居者・その世帯の所得によって負担額が異なります)
費用の特徴
  • ・地方自治体などが運営する公的な介護施設のため利用料が安い。
  • ・収入や税金などに応じて補助金や助成制度が受けられます。
  • ・「入居一時金」が不要です
    以上により、同じようなサービスが受けられる民営の有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅よりも安価に利用できる場合があります。
    ただし、医療ケアやリハビリを受けて自立した生活を目指すための施設であるため、通常の介護保険の費用負担以外に、医療費が加算されます。
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  • 利用者負担限度額制度(居住費・食費の軽減制度)

介護老人保健施設に入居すると、介護サービスを受ける費用について利用者が負担する費用の他に居住費・食費の負担が生じます。居住費・食費は実費を負担が原則ですが、所得の低い人に対しては、この費用について上限額(負担限度額)が定められており、費用負担が軽減されます。「居住費」「食費」の自己負担限度額は、入居者本人及び世帯所得・施設別・居室状況により以下の表の通り4段階に分かれています。

負担限度額認定制度を利用できるためには、2つの要件を満たす必要があります。
1)世帯の全員(世帯分離をしている配偶者を含む)の住民税が非課税であること。
2)資産が一定額以下であること(配偶者がいる場合、合計で2,000万円以下、配偶者がいない場合、1,000万円以下であること。
下表の第1、2、3段階とは以下の条件を満たす方です。
・第1段階とは、上記1)と2)を満たした老人福祉年金の受給者・生活保護受給の方。
・第2段階とは、上記1)と2)を満たした合計所得金額と課税年金収入額の合計が80万円以下の方。
・第3段階とは、上記1)と2)を満たした利用者負担段階の第2段階以外の方。

介護老人保健施設の居住費と食費の段階別の利用者負担限度額
負担限度額(円/日) 基準費用額
(第4段階)
第1段階 第2段階 第3段階
[居住費] ユニット型個室 820円 1,640円 1,970円
[居住費] ユニット型準個室 490円 1,310円 1,640円
[居住費] 従来型個室 490円 490円 1,310円 1,640円
[居住費] 多床室(相部屋) 0円 370円 370円 370円
食 費 300円 390円 650円 1,380円
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  • 高額介護サービス費の負担上限額制度

高額介護サービス費の負担上限額制度とは、介護サービスの利用者負担額には、毎月の負担額の上限が設定されており、利用者の1ヶ月の利用負担合計額が、以下の表に記載された限度額の上限を超えたときは、超えた金額分が払い戻される制度のことです。

所得の区分 負担額限度額/月
現役並み所得者に相応する方が居る世帯の方 44,400円(世帯)
世帯のだれかがが市区町村住民税を課税されている方 37,200円(世帯)
世帯の全員が住民税を課税されていない方
・老齢福祉年金を受給している方
・前年の合計所得金額+公的年金等収入額の合計が年間80万円以下の方など
24,600円(世帯)
24,600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護を受給している方など 15,000円(個人)
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  • 高額介護・高額医療合算療養費制度

高額介護・高額医療合算療養費制度とは、1年間(8月1日~翌年の7月31日まで)の介護保険と医療保険の自己負担合計額が高額な場合に合算して限度額を超えると超えた分が支給される制度のことです。限度額は、被保険者の所得・年齢に応じて設定されています。限度額は、世帯ごとの所得や年齢によって異なります。

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  • 地域支援事業および独自サービス

自治体が、紙おむつの支給、購入代金の助成、リフト付きタクシーの利用助成、車いすの貸与、な火災警報器、自動消火器など貸与などさまざまな福祉サービスを行っています。自治体によって提供サービスが異なるため利用にあたっては問い合わせが必要です。

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  • まとめ

介護老人保健施設の入居資格と費用の特徴について紹介しました。入居に伴って発生する費用については、住民税の負担の有無や収入、負担費用が限度額を超えるとなど一定の要件を満たすと負担を軽減できる制度として次のような制度やサービスがあります。「利用者負担限度額制度(居住費・食費の軽減制度)」、「高額介護サービス費の負担上限額制度」、「高額介護・高額医療合算療養費制度」及び「自治体の高齢者への生活支援サービス」などがあります。わからないときは、ケアマネージャーや入院先の医療相談室、高齢者がお住まいの地域包括支援センターに相談しましょう。