介護保険の施設サービスの一つ介護療養型医療施設は療養病床とも呼ばれます。主に療養上の医療が必要な要介護者が入所する公的な施設です。費用面では民間の同種のサービスを提供する施設よりも低額で利用できるというメリットのある施設です。介護療養型医療施設について主に費用面の特徴について紹介します。

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  • 介護療養型医療施設とは

介護療養型医療施設は、医療処置やリハビリが必要な比較的重度の要介護者に医療法上の医療を提供する施設で3つの公的施設の中でもっとも医療対応力が高い施設です。施設では食事や排泄などの介護サービスも提供されますが、介護療養型医療施設は主に医療法人が運営する医療機関で、主に提供されるのは急性疾患からの回復期にある寝たきり患者に対する医学的ケアが中心です。そのため、医療的なケアが必要なくなれば退所を求められることがあります。

介護療養型医療施設では、施設における医師は医療法に規定する必要数以上(入所者数48人対医師1人)、薬剤師は医療法に規定する必要数以上(入所者数150人対薬剤師1人以上)、看護職員・介護職員はともに入所者数6人対それぞれ1人以上、などリハビリを行う療法士、栄養士、ケアマネジャーなどの人数が規定されています。

介護療養型医療施設は、重度の要介護者向けにサービスを提供する「介護療養病床」と重度の認知症患者向けにサービスを提供する「老人性認知症疾患療養病床」があります。

介護療養型医療施設は、費用面では公的な施設のため、入居一時金は不要など民間が運営する介護施設よりは低額で利用できます。しかし、医療が必要な高齢者のための施設であることから、医療をあまり必要としていない高齢者が入所する特別養護老人ホーム介護老人保健施設よりも当然ですが、医療費の分だけは高額になる特徴があります。また、施設の設備によっては、より充実したサービスの提供を受けられますが、「感染対策指導管理加算」「褥瘡対策指導管理加算」などが加算されて費用が膨らみます。

おむつ代などの日常生活費や医療費を除く部屋代、食費等、所得に応じて4段階にわかれており、1ヶ月当たりの平均的な金額は以下の通りです。介護サービスについては、介護保険が適応され、要介護度が低ければ金額は低く高くなれば金額は上ります。部屋代と食費は要介護度に関係なく同じです。

多床室       75,000円から120,000円
従来型個室    110,000円から125,000円
・ユニット型準個室 115,000円から130,000円
ユニット型個室  125,000円から140,000円

介護療養型医療施設も他の公的施設と同様に入所者本人や扶養義務のある家族の収入に応じて減額措置があります。ケアマネジャーや施設に相談をおすすめします。

介護療養型医療施設のメリットとしては、充実した医療ケア・機能訓練が受けられること、公的施設なため入居一時金が不要で利用料も比較的安いことがあげられます。一方、デメリットは入所が難しいこと、ほとんどが多床室であること、医療・機能訓練が主でレクリエーションなどが少ないことがあげられます。

介護療養型医療施設の入所基準は、医学的ケアが必要な要介護1以上で65歳以上の高齢者に加え、「長期入院の必要性がないこと」「伝染病などの疾患がない」などの基本的な基準があります。なお、60~65歳で初期の認知症の状態と認められる場合など入所できる可能性があります。その他、地域や施設によって詳細な入所条件はさまざまです。そのため、入所するまえには施設に詳細を確認することをおすすめします。

提供される主なサービスは、医師による診療、療養上の医療ケア・看護、およびリハビリテーション、介護などでこれらは他の施設に比べると充実しています。しかし、掃除や洗濯、買い物などの生活を援助するサービスは充実していません。

施設の設備は、生活するための居室、浴室・トイレなどの共同設備ほか、食堂とリビングを兼用する共同生活室のほか、施設の設備ではありませんが病院に併設されていることも多いという特徴があります。

設備基準として以下の条件が定められています。
・1室当たり定員は4名以下
・入院患者1人当たり6.4平方メートル以上の広さ
・機能訓練室は40平方メートル以上の広さ
・食堂の広さは入院者数×1平方メートル以上
・廊下の幅は1.8m以上、中廊下の場合は2.7m以上

ユニット型施設の場合は、共同生活室を設置して、さらに病室を共同生活室の近い場所に設置することが必要とされています。

介護療養型医療施設については、2012年3月31日でいったん廃止が決定されました。しかし、その後廃止時期が延長されて現在は、2018年3月31日までとなっています。また、介護保険法改正時に廃止期限の延長について実態調査を行い見直しを行う旨の附帯決議が付けられています。現実問題として、介護療養型医療施設での要介護者に対する医療的処置の必要性が高いことや、あるいは看取りが行われている相当数行われているなか、その存在がどうなるかが気にかかります。

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  • まとめ

介護療養型医療施設に入所したときの費用面を中心に介護療養型医療施設の概要やメリット・デメリット、施設を取り巻く問題点などについて紹介しました。介護療養型医療施設の特徴、メリット・デメリット、そして費用をよく確認・理解してうまく利用するようにしてください。