サービス付き高齢者向け住宅の費用の特徴

サービス付き高齢者向け住宅」は、介護の専門家による見守りや支援サービスが受けられるバリアフリー対応の住宅です。運営は主に民間ですが、登録、指導・監督は地方公共団体が行います。高齢者向けのサービスがあるという以外は一般的な賃貸住宅とほぼ同じ。「サ高住」とも呼ばれています。

サービス付き高齢者向け住宅」は、都道府県単位で行われる登録制の住まいです。『高齢者住まい法(※1)』が平成23(2011)年に改訂され、国土交通省・厚生労働省共管として生まれました。高齢者にふさわしい住宅としての登録基準があり、概ね60歳以上の方が対象で、親族などとの同居も可能な賃貸住宅です。

サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム』によると、平成28(2016)年11月末時点でのサービス付き高齢者向け住宅の登録状況は、6,422棟・209,354戸数です。

登録基準は各都道府県により異なりますが、基本的な基準はバリアフリー構造のほか、25㎡以上(場合により18㎡以上)の床面積、トイレや洗面所等の設置などです。ケアの専門家による安否確認・生活相談サービスは義務づけられており、事業者による情報提供の義務や、前払金等の返還ルールなどもあります。

施設によって、カラオケや麻雀などの設備が充実していたり、誕生会や季節ごとのイベントやレクリエーション、旅行などを楽しめたりするところがあります。

(※1)『高齢者住まい法』……高齢者の居住の安定確保に関する法律

サービス付き高齢者向け住宅へ入居するにあたり必要となる費用は、入居者全員が負担する「家賃」「管理費」と、利用した方のみにかかる「食費」「介護サービス費」「その他の費用」です。サービス付き高齢者向け住宅は、料金表を見ると有料老人ホームに比べ安く感じる施設もありますが、食事の提供が義務付けられていないため、食費が記載されていないこともあるので、注意が必要です。

A.<入居者全員が負担する費用>

  • ・「家賃」……居室・共用部利用の費用
  • ・「管理費」……安否確認サービスや生活相談等の人件費、事務費、施設維持費など

B.<利用した方のみにかかる費用(※2)>

  • ・「食費」……食事にかかる費用
  • ・「介護サービス費」……介護保険サービスの自己負担1割(または2割)
  • ・「その他の費用」……光熱費・通信費・おむつなどの消耗品費・イベントやレクリエーション参加費・医療費・生活支援にかかわる費用など

サービス付き高齢者向け住宅の費用の支払い方法は、施設により異なります。一般的には入居時に支払う「敷金」と、毎月支払う「月額利用料」があります。

  • ・「敷金」……賃貸住居の敷金と同じ。家賃などの債務の担保として預けておくものです。退去する際に修繕費や清掃費が発生した場合の費用や、家賃が滞った際に充填する費用に賄われます。一般的には退去時に必要分を差し引いて返却されます。
  • ・「月額利用料」……主に家賃・管理費・食費・介護費・その他の費用。ただし、食費・介護費・その他の費用は利用した方のみにかかる費用です。また、それらはサービスの提供元により支払先が異なります(先述のとおり)。

サービス付き高齢者向け住宅の「介護サービス費」とは、入浴・排せつ・食事の介護など介護保険サービスにかかる費用のことです。この費用は、要介護度・地域に応じて金額が変わります。

ただし、施設が「特定施設入居者生活介護(通称・特定)」の指定を受けている場合は、介護職員や看護師による日常生活のサポート(食事・掃除・洗濯など)や介護(入浴・食事・排泄など)、リハビリなどのサービスが提供されますが、指定を受けていない施設の場合は外部の介護サービスを利用することになります。

また、食事等のサービスが提供されていない場合は、食事のオプションサービスを選ぶか外食、もしくは自炊で行います。

介護保険が適用されるので実費は通常「1割負担」ですが、平成27(2015)年8月より“一定以上の所得がある場合は「2割負担」”となりました。ただし、上限額を超えた場合などは払い戻しがあります。

多くの「サービス付き高齢者住宅」では毎月利用料を支払う「月払い方式」を採用しています。

しかし、事業者によっては「前払い方式」を採用する場合があります。「前払い方式」とは、将来の家賃等をあらかじめ支払っておくことです。一定期間以内に退去した場合は、その一部を返還する措置がとられます。

事業者が受領することができる金銭は、敷金、家賃・サービスの対価のみです。権利金やその他の金銭を受領することはできません。

また、事業者が「前払い方式」を採用する場合は、前払金の算定の基礎、返還債務の金額の算定方法が、契約の際の書面などに明示されていなければなりません。

なお、利用者が入居後3ヵ月以内に契約を解除(もしくは入居者が死亡)した場合、契約解除までにかかった家賃などの費用を除き、事業者は利用者へ前払金を返還しなければなりません。そして、その前払金に対し保全措置が講じられていなければなりません。また、事業者は住宅の工事完了前に前払金を受領することはできません。

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  • おしまいに

サービス付き高齢者向け住宅」は一般的な賃貸住宅のように、高齢者の方が守られた環境で自由に暮らすことができます。施設によっては費用を抑えることも可能です。

そのため、高齢者の方が自分らしく暮らすため国が進めている「地域包括ケアシステム」には欠かせません。このように時代のニーズが高まり、国も整備に力を入れているため、サービス付き高齢者向け住宅の増加は勢いを増しています。

しかし、新規参入の事業者が多いため介護事業者としての歴史が浅く、まだまだ信頼度の部分では未知数です。また、特定施設入居者生活介護(通称・特定)の指定を受けていない「サービス付き高齢者向け住宅」の場合、利用に応じた介護サービス利用料がかかるため、要介護度が高くなれば高額になってしまうことがあります。そのほか、介護スタッフが夜間は不在という場合もあります。

基本的に「サービス付き高齢者向け住宅」が必ず提供しなければならないサービスは、「安否確認・生活相談」の2つ。その他のサービスにおいては契約前に、必ず詳細を確認しておくことが必要です。

そういった諸々の面から考えても、ご利用者にとって「サービス付き高齢者向け住宅」選びは、なかなか容易なことではありません。高齢者施設に詳しい専門家の力を借りることが、もっとも簡単で最適な方法となるはずです。

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  • おさらい

サービス付き高齢者向け住宅へ入居する際に必要となる費用は、入居者全員が負担する「家賃」「管理費」と、利用した方のみにかかる「食費」「介護サービス費」「その他の費用」です。

サービス付き高齢者向け住宅の支払い方法は、施設により異なりますが、一般的には入居時に支払う「敷金」と、入居後に毎月支払う「月額利用料」があります。

「敷金」は賃貸住居の敷金と同じです。一般的には退去時に必要分(修繕費や清掃費、家賃が滞った際に充填した費用など)を差し引いて返却されます。

「月額利用料」は主に家賃・管理費・食費・介護費・その他の費用などです。ただし、食費・介護費・その他の費用は利用した方のみにかかる費用です。また、それらはサービスの提供元により支払先が異なります。

事業者によっては、将来の家賃等をあらかじめ支払っておく「前払い方式」を採用する場合があります。

利用者が入居後3ヵ月以内に契約を解除(もしくは入居者が死亡)した場合、契約解除までにかかった家賃などの費用を除き、事業者は利用者へ前払金を返還しなければなりません。

■問い合わせ窓口:地方公共団体、各施設、老人ホーム紹介事業者