介護離職 イメージ
世界でも類を見ない超高齢社会に突入した日本では、介護を必要とする方が増え、それにともない、ご家族を介護する方も増加しました。そのため、介護離職が大きな社会問題となっています。介護を行う方々は、その大変さに加え時間や経済面での負担も大きいため、精神的に追い込まれることも少なくありません。だからこそ、「介護する側のサポート制度」をよく知り、可能な限り上手に活用していくことが必要です。
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  • 介護者へのサポート制度とは?

介護者へのサポート制度は、「育児・介護休業法」によるサポートや、市区町村からの給付、民間企業による介護割引、などを指します。

「育児・介護休業法」とは、ご家族の介護を行う労働者の、仕事と介護の両立を支援する法律です。その内容は以下のとおり。(◆印の詳細は後述しています)

制度 概要
◆介護休業 介護家族1人につき介護休業を通算93日間まで取得可。
◆介護休暇 介護家族の人数に応じた日数を、半日単位から取得可。
所定労働時間の短縮等の措置 事業主は、要介護状態の家族を介護する労働者に対し、介護休業とは別に、利用開始から3年間で2回以上利用できるよう、次のいずれかの措置を講じる必要がある。
1.短時間勤務制度
2.フレックスタイム制度
3.時差出勤制度
4.介護サービスの費用助成
所定外労働の免除 要介護状態の家族を介護する労働者は、所定外労働の免除を請求できる。介護終了まで必要なときに利用可。
法廷時間外労働の制限 1ヵ月について24時間、1年について150時間を超える時間外労働が免除される。
深夜業の制限 深夜業(午後10時~午前5時までの労働)が免除される。
転勤に対する配慮 事業主は、就業場所の変更によって介護が困難になる労働者がいるときは、その労働者の介護の状況に配慮しなければならない。
不利益取り扱いの禁止 事業主は、介護休業などの申出や取得を理由として解雇などの不利益取扱いをしてはならない。
◆介護休業給付金 雇用保険の被保険者が要介護状態にある家族を介護するために介護休業を取得した場合、一定の要件を満たせば、介護休業給付金が支給される。
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  • 介護休業と介護休暇について

働いている会社に申し出ることにより、介護している対象の家族1人につき、通算93日間まで、3回を上限として「介護休業」を取得することができます。原則的には2週間前までに申し出が必要で、雇用保険加入期間1年以上の方が対象です。

また、「介護休暇」は、介護している対象の家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、半日単位で取得できます。当日の申し出も可能で、単発的に休みを取得できます。

【介護休業と介護休暇の概要】

  介護休業 介護休暇
利用できる人 要介護状態にある家族を介護する労働者。
(ただし、雇用形態や労使協定によって利用できない場合あり)
利用資格(雇用期間) 1年以上 6ヵ月以上
対象家族の範囲 配偶者(事実婚含む)、父母(配偶者の父母を含む)、子、祖父母、兄弟姉妹、孫。※養子・養親含む
日数 対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として取得可。 対象家族1人→年に5日まで
対象家族2人以上→年に10日まで
半日単位で取得可。
申請先 雇用者
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  • 介護休業給付金について

介護休業を取得した場合、一定の要件を満たせば、介護休業開始時賃金月額の67% が、休業開始日から最長3ヵ月間支給されます。

原則として、介護休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が、12ヵ月以上ある必要があります。

【介護休業給付金の概要】

支給対象者
  • ・介護休業開始日前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が、12ヵ月以上ある人。
  • ・介護休業期間中の各1ヵ月ごとに、休業開始前の1ヵ月あたりの賃金の8割以上の賃金が支払われていない人。
  • ・休業している日数が、各支給単位期間(1ヵ月)ごとに、20日以上あること。
支給期間 介護休業開始日から最長3ヵ月間
※介護休業期間を30日ごとに区切り、それぞれの期間ごとに支給額が算定され、その合計額が一括して支給される。
支給額 休業開始時賃金日額×支給日数×67%
※ただし上限額・下限額あり、これらは毎年8月1日に変更される。
給付依頼先 雇用者
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  • 家族介護慰労金

「家族介護慰労金」は、ねたきり等の高齢者を介護している家族の方に支給されます。

ただし、給付条件は厳しく、要介護4~5と認定された高齢者を1年にわたり在宅介護していること、住民税非課税世帯であること、過去1年間介護保険のサービス(年間1週間程度のショートステイの利用を除く)を利用していないことなどが、支給条件にあります。自治体によって異なりますが、支給金額は10万~12万円程度です。

【家族介護慰労金の概要】

支給条件
  • ・要介護4~5の認定を受けている人を介護している
  • ・1年間介護保険サービスを利用していない
  • ・通算90日以上の入院をしていない
  • ・住民税非課税世帯である
支給額 10万~12万円
給付依頼先 各市区町村窓口
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  • 航空会社の介護割引運賃

遠距離で介護している場合、少しでも航空券を安くしたいものですが、容体の急変に応じて向かうため予定が立たず、普通運賃を利用するケースも多いといいます。

しかし、各航空会社には、介護しているご家族などを対象に「介護割引運賃」があるので、ぜひ利用してみてはいかがでしょう。事前登録しておけば、通常の運賃より3~4割も安くなります。

航空会社 JAL ANA スターフライヤー ソラシドエア
対象者 介護を必要とされる方(要介護者・要支援認定者)の

  • ・二親等以内の親族
  • ・配偶者の兄弟姉妹の配偶者
  • ・子の配偶者の父母

※スターフライヤーとソラシドエアは、要支援者・要介護者本人も利用可。

対象路線 介護を必要とされる方と、介護者の、居住地の最寄り空港を結ぶ一路線に限る。
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  • おしまいに

本当は働き続けたいにもかかわらず、やむを得ず介護離職する方は数多く存在します。そのため、介護者の方が社会から孤立してしまうという問題も、顕著にあらわれてきました。

しかし、介護者へのサポート制度をフルに利用して働き方を変え、仕事と介護を両立させている方も少なくありません。介護離職を考える前に、介護休暇や介護休業ほか、介護者へのサポート制度をぜひご確認ください。また、介護でかさむ費用を少しでも軽減できるよう、介護割引航空券なども利用しましょう。

なお、介護を必要とされる高齢者の方の、お体の状態によっては、介護や医療の専門家がいる老人ホームなどの高齢者施設で生活したほうがよい場合もあります。地域包括支援センターや市区町村窓口、老人ホーム紹介事業者などにご相談してみてください。

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  • おさらい

「育児・介護休業法」とは、ご家族の介護を行う労働者の、仕事と介護の両立を支援する法律です。

介護者へのサポート制度は、「育児・介護休業法」によるサポートや、市区町村からの給付、民間企業による介護割引、などを指します。その内容は以下のとおり。

・介護休業
・介護休暇
・所定労働時間の短縮等の措置
・所定外労働の免除
・法廷時間外労働の制限
・深夜業の制限
・転勤に対する配慮
・不利益取り扱いの禁止
・介護休業給付金
・家族介護慰労金
・航空会社の介護割引運賃

※ただし、それぞれ必要条件を満たさなければ利用できない場合があります。