- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)とは
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)とは、介護および医療的なケアが必要な方が、数日~1週間程度の間、医療設備の整った施設に宿泊して、介護および機能訓練や治療・看護などの医療的なケアを受られるサービスです。次のような場合の利用が可能です。
・介護をする家族が心身に支障をきたしている
・介護をする家族が、旅行や冠婚葬祭などで、1~数日の間、家を留守にする
・介護をする家族の介護負担を軽減したい
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)と似たサービスに、短期入所生活介護(ショートステイ)があります。後者は、主に、日常生活のサポートやレクリエーション、身体の機能訓練などのサービスがメインです。それに対して前者は、主に医療面のケアが中心となっています。生活面でのサポートや身体の機能訓練はもちろん、必要に応じて、医師、看護師、作業療法士、理学療法士など、医療の専門家のケアを受けることができます。
両者とも、サービスの利用は、連続30日までとなっています。31日目以降は利用料金が全額自己負担になります。
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)は、医療的なケアが提供できる、「介護療養型医療施設」、「介護老人保健施設」、「療養型介護施設を持つ病院・診療所」などの医療機関を利用して行われます。部屋の種類によって3つのタイプに分かれます。
・多床型
病院の大部屋のように、一室に4~8人くらいが一緒に利用します。
・従来型個室
いわゆる個室のタイプで、一人ひとりに割り当てられた部屋を利用します。
・ユニット(準)個室
個室と共同スペースを、目的に応じて使い分けることができるタイプです。共同スペースでは談話や食事などを、個室スペースでは治療や看護を受けることができます。
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)を利用するには
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)の利用対象は、次のすべての条件を満たした方となります。
・要介護1~5の認定を受けている
・介護だけでなく、医療的な処置を必要としている
・定期的に、身体の状態や検査を必要としている
要支援1~2の認定を受けた方は、介護予防短期入所療養介護の対象となります。
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)のメリット・デメリット
・医療的なケアが必要な利用者を介護をする家族が、体調を崩したり、冠婚葬祭などで数日間家を空けなくてはならないときに、介護や医療の専門家によるサービスを受けることができる。
・医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの医学の専門家の元で、適切な処置をしてもらうことができる。
・介護をする家族は、介護の負担が軽減され、心身の休息をとることができる。
・常に需要が多いので、1~2ヵ月前からの予約が要る。緊急に依頼することが難しい場合がある。
・基本的に、連続して30日までしか利用することができない。31日目以降は利用料金の全額が自己負担となる。
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)にかかる費用はどれくらい?
介護老人保健施設を利用する場合(単位:一日あたり)
従来型個室 | 多床型 | ユニット(型)個室 | |
---|---|---|---|
要介護1 | 750円 | 823円 | 829円 |
要介護2 | 795円 | 871円 | 874円 |
要介護3 | 856円 | 932円 | 936円 |
要介護4 | 908円 | 983円 | 989円 |
要介護5 | 959円 | 1,036円 | 1,040円 |
介護療養型医療施設の場合(単位:一日あたり)
従来型個室 | 多床型 | ユニット(型)個室 | |
---|---|---|---|
要介護1 | 691円 | 795円 | 817円 |
要介護2 | 794円 | 898円 | 920円 |
要介護3 | 1,017円 | 1,121円 | 1,143円 |
要介護4 | 1,112円 | 1,216円 | 1,238円 |
要介護5 | 1,197円 | 1,301円 | 1,323円 |
療養型病床群を持つ病院・診療所の場合(単位:一日あたり)
従来型個室 | 多床型 | ユニット(型)個室 | |
---|---|---|---|
要介護1 | 673円 | 777円 | 798円 |
要介護2 | 722円 | 825円 | 847円 |
要介護3 | 770円 | 875円 | 895円 |
要介護4 | 818円 | 922円 | 943円 |
要介護5 | 867円 | 971円 | 992円 |
※厚生労働省「介護報酬の算定構造」(H27年4月)に基づいて計算した場合です。
※自己負担が1割の場合です。所得が一定以上ある場合は、自己負担が2割になります。
※金額は事業所や市区町村、利用日数、サービス内容などによって変わります。
短期入所療養介護(医療型ショートステイ)は、1~数日の間、医療および介護の専門家に、要介護者の介護や看護、医療的な措置を安心してお任せできる点で、需要が高いサービスとなっています。そのため、短期入所生活介護サービス同様、予約が取りにくいのが難点です。冠婚葬祭などで利用日があらかじめ決まっている場合は、早めに施設を決め予約を入れましょう。地域にはどういった施設があるのか、利用者に最適な施設はどこかなど、分からない点は、ケアマネージャーなど介護の専門家に相談してみましょう。
- まとめ
・短期入所療養介護(医療型ショートステイ)とは、介護と同時に医療的なケアが必要な方が、数日~1週間程度の間、施設に入所・宿泊して、日常生活のサポートや機能訓練、医療的処置などを受られるサービスです。
・医療的なケアが提供できる「介護療養型医療施設」「介護老人保健施設」「療養型介護施設を持つ病院・診療所」などの医療機関を利用して行われます。
・部屋の違いによって「従来型個室」「多床型」「ユニット型個室」に分かれます。
・需要が高いサービスなので、予約をとりにくいというデメリットがあります。利用日が決まっている場合は、なるべく早めに予約をしておきましょう。
・日ごろ介護をしている家族が心身の休息をとることができます。
介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、老人ホーム選びの専門家として、立地、費用、入居予定者の症状、介護度、趣味、今までの職業、今後の暮らし方(身元保証、遺言、成年後見、相続、葬儀等をご家族からお聞きし、最適な老人ホームの提案を心掛けている。