「特別養護老人ホーム」は、介護が必要になった高齢者の方のための、公的な介護施設のひとつです。省略して「特養」とも呼ばれますが、介護保険上では、「介護老人福祉施設」と明記されます。

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  • 特別養護老人ホームの特徴

「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」は、社会福祉法人や地方公共団体などが運営する、原則65歳以上の高齢者が対象の老人ホームです。厚生労働省によれば、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」は、平成26年(2014)10月1日時点で7,249施設があります。

この施設の大きな特徴は、「長期利用」も可能な公的介護施設であり、民間が運営する有料老人ホームよりも「費用の負担を抑えられる」こと。そのため、全国で52万人の待機者がいるほど人気が高く、非常に入所が難しいといわれています。しかしながら、介護保険法の改定により、平成27年4月より対象者が申し込み順から「要介護3〜5」に絞り込まれたため、在宅での生活が困難でありながら、入所待ちを余儀なくされていた介護度の高い方の世帯の軽減が予想されています。

ただし、既に入所している方や、日常生活に支障をきたすような症状や、精神的な障害(認知症)をともなう場合、また、家庭環境によっては、要介護1・2であっても入所が認められる場合があります。諦めず、まずはご相談することをお勧めします。

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  • 特別養護老人ホームの居住形態

厚生労働省は「入所者が可能なかぎり在宅復帰できることを念頭におく」としていますが、終の棲家になる可能性も大いにある場所。できるだけ利用者にとっても、ご家族にとっても最適なスタイルを選択したいものです。居住の形態は施設によって様々ですが、基本的には以下の種類が存在します。

「ユニット型」
…完全な個室に、共有スペース(台所・食堂・浴室など)が併設されている。10人程度の生活グループに区切られているので、プライバシーを確保しながら人と交流しやすい環境である。また、介護職員が担当する人数が限られ、グループで生活するため、馴染みのあるスタッフや入居者同士での生活できます。

「ユニット型準個室」
…固定壁と天井との間に隙間がある、完全ではない個室。共有スペースなどはグループで生活する「ユニット型」と同じ。複数で利用していた大部屋を分割して個室に改装した場合、このかたちになる。

「従来型個室」
…「ユニット型」のように10人以下単位の生活グループに区切られていない。ただし、個室なのでプライバシーの確保は可能で、「ユニット型」よりも負担額が少ない。

「多床室」
…ひとつの部屋を4人以下の入所者で利用する、整理箪笥やカーテン等で仕切られたいわゆる大部屋。プライバシーの確保は難しいけれど、負担額が小さいことが最大のメリット。

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  • 特別養護老人ホームで受けられるサービス

入浴・食事介助・日常生活の支援・機能訓練(リハビリ・レクリエーション)など。なお、施設によりますが、重度の医療処置を行っていない場合が多いので確認が必要です。

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  • 特別養護老人ホームの利用負担額

特別養護老人ホームの施設費用のおおまかな内訳は、

「施設サービス費」+「居住費・食費」+「日常生活費」です。

入居一時金はありません。

基本的に特別養護老人ホームの「施設サービス費」は介護保険が適用されるので実費は『1割負担』ですが、平成27年8月より『一定以上の所得がある場合は2割負担』となりました。ただし、上限額を超えた場合などは払い戻しがあります。

「居住費・食費」「日常生活費」においては、保険外なので実費となります。また、「居住費」は居住形態によって異なり、個室の場合、費用負担が増加します。ただし、「居住費・食費」においては、『利用者負担限度額認定制度』によって負担が軽減される場合があります。対象となるには以下の条件を満たしている必要があります。

 

・低所得世帯であること

…(世帯分離をしている配偶者を含む世帯全員が市区町村民税非課税)

・資産(預貯金等)が一定額以下であること

…(配偶者有:2,000万円以下/配偶者無し:1,000万円以下)

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  • 特別養護老人ホームに入所するためには

もしも、まだ介護認定を受けていない場合は、各市区町村の窓口で「要介護(要支援)認定」を申請する必要があります。市区町村の職員による自宅訪問などが行われ、介護度が判定されます。

判定が要介護3〜5である場合は、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」への入居が可能です。(場合によって要介護1・2でも入居できる場合があるので、まずはご相談を!)

「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」への申込書は、施設、もしくは各市区町村で配布しているので、直接申し込むことが可能です。また、介護認定を受け担当になったケアマネージャー(介護支援専門員)さんに申込みをお願いすることもできますよ。新しい施設の開設など多くの情報を入手しているので、有効で的確なアドバイスをしてくれるはずです。

申し込みをしたあとは、選考結果が届くのを待ちます。選考に選ばれたら、そのあとは施設職員の面談が行われ、条件が揃えばやっと入所可能となります。

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  • おしまいに

制度は少しずつ変化していますが、やはり「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」は人気が高く、なかなか入所が難しいというのが現実です。しかし、だからといって在宅介護がひどく困難な状況であるにもかかわらず、無理をし続ける必要はありません。ケアマネージャーさんや、医療機関で働くソーシャルワーカー(支援相談員)さん、民生委員(生活に関する相談や支援を行うボランティア)の方にどんどん相談してみましょう。思いつかなかった施策に出会えるかもしれません。

また、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」に申し込みながら、まずは民間の有料老人ホームに入居することもひとつの手です。その際は、中立的な立場で情報やアドバイスをくれる、信頼できる専門家に相談することが何よりも大切です。

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  • おさらい

特別養護老人ホームは、入所する要介護者に対して、ケアプランに基づいて、入浴、排泄、食事等の介護、その他日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話が提供されます。介護保険施設なので、要介護3以上の認定を受けていないと利用できません。

 

■特徴:介護が必要な高齢者のための公的な介護施設

■対象者:原則65歳以上の要介護3〜5の方
 ※但し、40歳から64歳まで(第2号被保険者)の方で、「特定疾病」が原因となって、介護が必要であると認定された場合は入居可能。

■利用できる期間:長期期間

■問い合わせ窓口:各施設、地域包括支援センター、市区町村役所