通院が困難になった高齢者が在宅診療を受ける場合の方法

病気やケガの治療で通院することは、高齢者にとって大きな負担です。さらに近年は少子化や子どもと同居する高齢者世帯の減少、そして平均寿命が延びて夫婦がともに高齢、あるいは高齢者の単身世帯が増加し、今まで通院できていた高齢者が今後はますます通院できなくなっていく可能性があります。また、医療制度上の問題で長期の入院は難しくなっており、さらに病院ではなく自宅で最期を迎えたいという高齢者のニーズも高まっています。そこで必要性が高くなってくるのが在宅診療です。

いつまでも元気で自立した生活を送れることが理想です。しかしいつまでもできるわけではありません。そのときに必要になる在宅診療の概要や在宅診療を希望するときにはどうすればいいのか、どんな病気で、どんな治療がしてもらえるのかなど在宅診療について必要なことについて解説します。

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  • 在宅診療とは
在宅診療とは イメージ

在宅診療とは、医師や看護師が自宅や高齢者施設など通院が困難な患者が住む場所に訪問して医療行為をすることです。在宅診療には訪問診療と往診があります。往診は、患者やその家族の要請を受けて、その都度医師が患者の自宅や療養している施設などを訪問して医療行為をします。

訪問診療は、月に1,2回定期的に医師だけでなく必要に応じて歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、栄養士、ケアマネジャー、介護士などが訪問して、各職種間で情報を共有して医療行為から介護支援まで幅広く行います。訪問診療では、在宅介護サービスとの連携によって高齢者が住み慣れた地域・自宅で安心して暮らせるよう計画的な診療、治療、薬の処方、療養に関する指導が提供されます。訪問診療では、患者や家族がどのような治療・介護を受けたいかを確認しながら診療やスケジュールなどが計画されます。また、定期的な訪問診療以外にも容体の急変時には緊急な往診も可能な24時間体制になっているのが一般的です。

なお、在宅診療ができる医療機関は、医療機関から患者の居住する自宅や高齢者施設などまでの距離が、原則16キロ以内となっています。

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  • 在宅診療を希望するときどこに相談すればいいの?

在宅診療をしてもらいたいと思っても、どのようして始めるのか分からない人が多いかと思います。そのようなときは、既に介護を受けているときは担当のケアマネジャーに相談すると自宅の近くで在宅診療を行っている医療機関を紹介してもらえます。担当のケアマネジャーがいないときは、近くの地域包括支援センターで相談できます。または、市町村の役所の介護保険担当窓口、在宅介護支援センター、保健所や各地域の医師会などにも相談もできます。

かかりつけの医師が必ずしも在宅診療をしてくれるとは限りませんが、長く診てもらっているときは、かかりつけの医師に在宅診療してもらえると安心なので確認してみることをおすすめします。かかりつけの医師ができなくても信頼できる在宅診療が可能な医療機関を紹介してもらえる可能性があります。

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  • 在宅診療でどんなことをしてもらえるの?

在宅診療では、医療機関に設置された装置や器具を使ったレントゲンやCT、あるいはMRI検査や放射線治療、および大きな手術などは行えませんが、通院して受けられる簡単な小手術も含め医療行為のほとんどが可能です。ただし、可能な医療行為のすべてが直ちに行われるわけではなく、在宅診療では生活の質(QOL)を重視した医療行為が提供されます。また、医師による医療行為の他、看護師による訪問看護、理学療法士や作業療法士による訪問リハビリテーションなども含まれます

主に提供される医療行為は以下のとおりです。

問診・診察、自己注射、血液透析、酸素療法、中心静脈栄養法、成分栄養経管栄養法、自己導尿、人工呼吸、持続陽圧呼吸療法、微量点滴静脈注射、微量皮下注射、看とりなど。

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  • どんな人が在宅診療の対象になるの?

在宅診療の条件としては、通院が困難であって、患者が在宅診療に同意すれば在宅診療を受けられます。具体的には、以下のような条件に当てはまれば在宅診療の対象者となります。

・認知症、呼吸不全や心不全、足腰が弱って通院ができない人
・病院を退院したが自宅でも療養が必要な人
・ガンなどに対して積極的な治療をしないで自宅で過ごすことを希望する人
・最期を自宅で迎えることを希望する人
・神経難病などで症状が急変する可能性があり自宅療養が必要な人

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  • 緊急時の対応は?

在宅診療では、通常24時間体制で医師のサポートが受けられます。さらに、あらかじめ緊急時の対応方法や連絡先について医師、看護師、ケアマネジャーなどと相談して決めておくと緊急時にも安心できます。

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  • 在宅診療のメリット・デメリット

1メリット
在宅医療のメリットは、高齢者が住み慣れた地域・自宅で療養でき、自宅で最期を迎えたいという高齢者にとっては希望にも沿えることです。家族にとっても通院支援の労力が軽減されます。さらに入院と比較した場合は、一般的には医療費が軽減できるメリットもあります。

2.デメリット
家族にとって通院の負担は軽減されますが、入院と比較すると在宅医療は家族の負担が増加するのがデメリットです。また、家族の場合は医療知識が乏しいので容体の急変などに対する緊急時の対応に家族では不安が残る点もデメリットです。

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  • まとめ

今後増加する高齢者の在宅診療について在宅診療の詳しい内容や利用の仕方、利用条件などが、まだまだ多くの人に知られていません。そこで、在宅診療の概要や利用方法、利用条件、在宅診療のメリット・デメリットについて紹介しました。これから在宅診療を迫られる可能性も高く、また在宅診療を進んで利用するケースも増加します。在宅診療を知ってうまく活用することで高齢者も家族にもメリットが生まれます。