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  • 若い世代でも…

前頭側頭型認知症とはその名の通り、頭の前にある前頭葉と横にある側頭葉が委縮することによって起こる認知症です。平均発症年齢は49歳で、アルツハイマー型と比べると若い世代で発症することが多いのが特徴です。うち8割を占めるのが精神医学者のアーノルド・ピック氏が発見した「ピック病」。脳の委縮によって感情の抑制が効かなくなり、性格の変化や理解不能な行動が見られる病気です。現在ピック病は国内に1万人以上の患者がいると推定されていますが、アルツハイマー型認知症やうつ病、統合失調症など誤診されるケースも少なくないため、正確な患者数は分かっていません。

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  • 原因は

前頭葉はモノを考え、感情をコントロールし、理性的な行動ができるように計画を立てる機能を持っています。側頭葉は言葉を理解したり記憶したりする場所で、聴覚や嗅覚も司っています。この前頭葉や側頭葉の萎縮がなぜ起こるのか、残念ながらまだ原因は分かっていません。ピック病については、ピック球という異常構造物やTDP-43というタンパク質が神経細胞の中に溜まることで発症することが確認されています。しかしこのピック球がなぜできるのかは解明されていません。

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  • 症状は

初期に見られる症状は、他人に配慮することができなかったり、周りの状況が読めなかったりといった性格変化や行動異常です。例えば赤信号を無視して通過してしまう、人の話を途中で遮って自分勝手に話し出してしまう、些細なことで怒りやすくなる、などです。一般的な認知症でよく見られる「物忘れ」はほぼ見られません。そのため「性格が変わった」で片付けられてしまい、病気の発見が遅れがちになります。他には会話の内容とは無関係に同じ言葉を繰り返したり、こだわりが強くなって毎日同じ行動を繰り返したりするのも代表的な症状です。

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  • 対策は

前頭側頭型認知症の治療法はまだ十分に確立されていません。ただし専門家の間では、脳血流を活発にする栄養補給や適切なケアによって悪化を遅らせることは可能であるとされています。短期入院をして生活環境を調整することによって、社会生活上迷惑となるような行動異常を和らげることができることもあります。

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  • おさらい

ピック病に代表される前頭側頭型認知症は、前頭や側頭が萎縮することで起こります。代表的な症状は行動異常や性格の変化で、物忘れはあまり見られません。治療法が確立されていない難しい病気のため早期の発見、受診が何よりも大切です。身近な人の言動に急な変化が現れた場合、この病気を疑ってみる必要もあるでしょう。